「理論モデル」・「政策分析」・「政策科学者」~政策分析における倫理~
気候変動政策や貿易自由化の議論において典型的にみられるように、政策分析の重要性は近年日増しに高まっている。本稿では、このような政策分析を行う際の「倫理」について、科学哲学や経済学方法論の観点から、考察した。具体的には、政策分析の役割、理論モデルの特質、政策分析と価値観との関係、等の話題について考察した後、以下のような「倫理」( 格言)を導いた。第一に、理論モデルについては、実体化、固執することなく、可謬主義をとるべきである(「プロクルステスの寝台」の回避)。第二に、得られる含意がほとんど変わらないのであれば、できるだけ簡潔なモデルを構築、使用すべきである(「オッカムの剃刀」の原理)。第三に、政策分析を行うにあたっては自らの価値観の混入を自覚し、分析結果に対しては責任をもつべきである(「責任倫理」)。
Extent: | application/pdf |
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Series: | |
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Type of publication: | Book / Working Paper
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Notes: | Number 53 18 pages long |
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