本論文ではバブル経済が崩壊した,1990年代初頭以降の日本の株式市場の状況に関する,二つのパズルについて検討する.一番目のパズルは祝迫(2003) で指摘された,近年の日次・週次のマーケット・リターンの統計的性質の変化に関するものである.日次のデータについてGARCH-M構造を含んだARモデルを推定することによって,1997年後半以降の日本のデータについて,ボラティリティ・フィ−ドバック効果が強くなっていることが示される.論文の後半ではHamao, Mei, and Xu (2003) によって指摘された,日本市場における個別リスクの低下というパズルについて再検討を行う.Rolling Beta等を使った分析により,Hamao, Mei, and Xuの指摘したパズルが1992年から98年ごろまでに限定されたものであり,実体経済のリストラクチャリングの遅れという彼らの説明には無理があることが示唆される.
Extent: | application/pdf |
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Series: | |
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Type of publication: | Book / Working Paper
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Language: | English |
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Notes: | 参考文献: p9, 平成16年1月7日 Number a447 13 pages long [7] p. |
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