次世代技術の選択と競争戦略(1) : 二次電池業界における新規企業が参入に成功するための要因の分析
本研究は、技術の断絶期において新規企業が参入に成功するためには、どのような技術を選択すべきかを明らかにするとともに、そのような意思決定を可能とする背景や条件までを掘り下げて解明することを目的として進められた。二次電池業界を分析した結果、旧来技術から技術的な距離が遠く、性能ポテンシャルの高い技術を選択すべきということが明らかになった。しかし、そのような技術選択は、技術面及び市場面での不確実性が高い。つまり、リターンは大きいがリスクも大きいといえる。そこで、このような意思決定を可能とし、さらに不確実性を軽減するためのメカニズムを分析した結果、セット製品側との協力関係が重要なポイントとなることが分かった。その次世代技術を使用した製品をセット製品に搭載することで飛躍的に魅力が高まるのであれば、セット製品側がリスク分担に応じるとともに、製品開発で惜しみない支援をするからである。但し、取引費用の関係から、外部企業とこのような協力関係を構築することは難しい。社内にセット製品部門が存在し、かつ部品事業とセット事業との協力を組織マネジメントの基本としている場合には、こうした協力関係を構築することができる。これらの条件が揃えば、新規企業が参入に成功する可能性が高まることが分かった。
Extent: | application/pdf |
---|
Series: | |
---|
Type of publication: | Book / Working Paper
|
---|
Language: | English |
---|
Notes: | Number 05-16 iii, 50 p. |
---|
Source: | |
Persistent link: https://www.econbiz.de/10005574110