本稿の目的は、Ruhm (2003)と同じデータセットを用いて、結果を再現し、また修正を行うことである。論文の再現では、Ruhm (2003)で示された経済状態が一時的に改善すると、個人の健康状態が悪化する、というほぼ同様の結果を得た。また、使用した州別失業率のデータが、Ruhm (2003)が使用した暦年平均の重み付けではなく、月別データであったため、過去の失業の効果をより明確に捉えることが可能となり、仮説で示されたマクロの失業率が持つ短期的な効果と長期的な効果の違いをうまく捉えられた。論文の修正では以下の2点に焦点を当てて分析を行った。第1に、健康状態に影響を与える失業の効果について、個人の失業の効果と、短期的な地域の経済状態の効果を区別して推計を行った。第2に、労働力にあると回答した観測値のみを用いて推計を行った。個人の雇用状態の効果をコントロールした上で、マクロの失業率が個人の健康状態に与える影響を推計した結果、Ruhm (2003)と整合的な結果を得た。これより、Ruhm (2003)の提示した仮定は、個人の雇用状態の効果を考慮した場合にも当てはまることが明らかとなった。
Extent: | application/pdf |
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Series: | |
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Type of publication: | Book / Working Paper
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Language: | Japanese |
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Notes: | "Good times make you sick" by Christopher J. Ruhm, Journal of Health Economics 22(2003) p637-p658, 2006年5月13日 Number 321 23 pages long |
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Source: | |
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