消費税引き上げに際しての負担軽減策としては、①消費税における複数税率と、②所得税における給付つき税額控除、の2つが有力案となっているが、その具体的な制度設計のためには消費税負担の現状を正確に把握する必要がある。わが国世帯における消費税負担額については、現行税率5%において年額で平均13万円程度であると、従来、考えられてきた。ただ、その水準には過少推計の恐れがある。そこで本研究では、従来推計に関する補正方法を案出し、新たに年額で平均18.6万円という推計結果を得た。年間収入が低い世帯における消費税負担額は、やや小さく、年額10万円程度である。負担軽減策の対象となるのは低所得世帯なので、この年額10万円程度が制度設計における基準となるだろう。給付つき税額控除の制度においては、収入と世帯人数を基準として給付額の算定がなされるので、世帯員1人当たりの消費税負担額も把握しておく必要がある。本研究では、低所得世帯の1人当たり消費税負担額は平均で年額3~6万円程度であるという推計結果を得た。なお、子どもの有無により1人当たり消費税負担額が相違することはほとんどないことも判明した。
Extent: | application/pdf |
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Series: | |
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Type of publication: | Book / Working Paper
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Language: | Japanese |
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Notes: | Effective Burdens of VAT by Japanese Households Number 491 31 pages long |
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Persistent link: https://www.econbiz.de/10008752083