日本における労働市場の二極化と非定型・低スキル就業について
本稿では、相対的に低スキルながら状況に応じた対人対応が求められる非定型手仕事業務が増加した背景を高齢化、世帯規模の縮小等の人口動態等傾向的な要因、一時的な経済環境(所得)の影響、需要者としての高スキル就業者の増加等によるサービス需要との関係から分析した。その結果、消費支出に占める個人向けサービス(及び内訳)支出割合は、概ね所得階層が高まるにつれて、世帯人員数の減少につれて、また世帯主が60代以上で高まる場合が多い。1994年から2004年にかけて一般世帯でサービス支出割合が高まっているが、人口動態要因が重要な説明要因となっている。都道府県の有業者に占めるサービス就業者比率(サービス全体、生活関連サービス、飲食・給仕サービス)をみると、2007年には世帯人員が少ない地域また高スキル就業者比率の高い地域においてサービス全体と飲食・給仕サービス従事者の比率が高い。また1997年に比べて2007年にかけてのサービス就業者比率の上昇に対しては人口動態要因が寄与すると同時に、サービス全体と飲食・給仕の場合は高スキル就業者比率の上昇の寄与もみられた。このように人口動態上の変化や高スキル就業者の増加が非定型手仕事型の個人向けサービスの需要を高めたことが示唆された。
Extent: | application/pdf |
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Series: | |
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Type of publication: | Book / Working Paper
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Language: | English |
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Notes: | Labor Market Polarization and Nonroutine Unskilled Employment in Japan Number 432 36 pages long |
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